すべて世は事もなし−2

1月5日、多分今日から世の中は本格的に動き出す。しかし僕はハーフリタイア人種、ゆっくり寝ていたら無粋な電話で起こされた。手探りで携帯を取ったがつながりが悪い。電話マークを押しているのになかなか繋がらず、その内切れてしまった。この携帯は前からそうだ。娘が値切って買ったのかな?それとも大メーカーの粗悪品かな?(どうせ殆どがOEMだから…)

仕様がないのでノソノソ起き出し、冷たいカフェオレ(アイスではなく単に冷めているだけ)を飲み、タバコを数本立て続けに吸った。5本位吸うとやっと目が覚めてくる…。それと同時にニコチンで頭がボーッとしてくる…。この習慣が良いのか悪いのかは良く分からない。大昔アメリカインディアンのシャーマンが「タバコを吸って神懸る」のと同じかな?僕の場合は単に「頭に霞がかかる」程度のもの。

今日のめぼしいニュースは?――築地市場で初セリ、大間産本マグロ一本1628万の高値。僕だったらこれで5年以上暮せるヨ。しかしイカやフグなどは昨年より安いという。魚もデフレ傾向。日経平均株価続伸10767円、前日の欧米の高水準を受ける。でも株価なんて当てにならない。チョットしたことでヒステリックに上下動する。少しは冷静になれよ!日航企業年金の減額、現役社員の2/3以上が同意。但しOBは1/3強…。リタイアしてからもそんなにリッチな生活をしなくても良いのでは?でもこれは下衆の勘ぐりというものか…。「アバター」2週間で10億ドル突破!やはりアメリカ映画は凄い、簡単に1000億!最終的には数千億?ハリウッドの底力だネ。中国も映画産業の凄さに気付いて、今巨額の投資をし始めている。

北京・ソウルで大雪。どちらも強烈に寒いが雪はあまり降らないのか?ニュース映像では雪はそれほど積もっていなかった。北京と言えばNHKの「蒼穹の昴」が1月から放映される。もうソロソロその時期のハズ、いつから?この頃NHKは本当に凄い。「坂の上の雲」もそうだが、ドンドン海外との共同製作を進めている。このドラマも中国との共同製作だ。監督はあの汪俊、俳優も中国人が多い。西太后は田中裕子、かなり似合うかもしれない。彼女は「おしん」で中国でも良く知られている。このドラマは日本と中国で放映される。それにしてもNHKの国際化は本当に凄い。いっそその潤沢な資金力を生かして映画製作を始めたら?でもNHKの定款?ではそれは出来ないのだろう。本当はやりたいだろうに勿体無い。充分売れる国際映画を作る力があるのに…。

原作は浅田次郎、もう何年も前に読んだがあまりパッとした印象はない。つまらないが惰性でやっと読み終わったと言う感じだ。歴史物であればやはり司馬・宮城谷・陳瞬臣が面白い。井上靖は別格だ。井上靖は冒険物でも高尚な文学になる。その文脈は研ぎ澄まされ、象徴的で簡潔だ。浅田は元々波乱万丈の歴史大作を書くタイプの作家ではない。だから主人公もヒーローはいない。記憶では彼は東京生まれで写真屋の息子だった?ハズだ。東京人なのでシャイでシャレていて少しシニカルだ。つまり3Sだ。(スティーヴン・キングSSDDだ)他の作品でもあまり力まないでサラサラと書き、ユーモアがありそして少しシュールだ。だから読むとホッとする感じの作家だ。

NHKで盛んに番宣を流しているが、それを見るとリアル感がある。何がリアルかというと、着ているものがボッテリとしていて重そうだ。民衆は茶系の分厚いボロをまとっている。王宮の人達の衣装も厚ぼったい。極寒の北京であれば当然そうなる。だから妙にリアルな感じがする。しかし近頃のNHKは番宣過剰だ。少しウルサ過ぎだ。民放と違い15秒数十万〜数百万円の世界ではないから流し放題だ。悪く言えば番宣のタレ流しだ。視聴者は番宣の洪水を見たいわけではない。数年前の冬季オリンピックと同じだ。大山鳴動してメダル一個。少しは見るものの気持ちを考えた方が良い。このままで行くと大本営参謀本部、虚大狼少年になりかねない。