卯年の初セリ

卯年には何かが起こるという。景気にしろ政治にしろ株価にしろ、大きく跳ねるという。良くも悪くも。でも停滞・ジリ貧よりはいいだろう。菅もとうとう小沢切りを決意したようだ。小沢が政治から消えていくと、これでやっと角栄以来の金権政治の幕が下りる。だからこれは単なる小沢切りではなく、政治の大きな変革・前進になる。小沢ももう自分の歴史的役割りを終えて引っ込んだほうが良い。そうしなければ日本は何時までも政治の近代化が図れない。日本にもう政治屋はいらない。(このままでは民主党内の闇将軍だ…)

昨日は築地の初セリで事件が?あった。何と函館・戸井のクロマグロに3249万円の値が付いた。ここ数年寿司ビジネスの海外への拡大で、香港の中国人グループが初セリで最高値を付けていた。今年もこのグループと銀座の名店・久兵衛共同購入だった。セリに出た中国人はリッキー・チェンとかいう映画俳優みたいな名前だった。戸井はあの有名な大間の対面に有る漁港で、大間が一本釣りなのに対しここは延縄漁法だ。342キロの大物ではあるが、初セリとはいえ3000万を超えるのは常軌を逸している。江戸時代の紀文の紀州蜜柑のセリ値を思い出す。(紀文はこの冒険、冬の荒波を越えて蜜柑を江戸に運んだ―で大商人へのきっかけを掴む)釣り上げた漁師は大喜びで、これで年間売り上げを達成したみたいな事を言っていた。但しこのセリ値で漁師に渡るのは50%程度だそうだ。それにしてもマグロ一本で1600万円は巨額だ!

このマグロは早速香港チェーンの日本店(赤坂?)と銀座久兵衛で出され、大トロ一貫で久兵衛で2500円、香港グループで1300円とあまり高くない。つまり採算度外視のご祝儀相場だ。この大トロにありついた客達にとっては小さなお年玉だ。しかし朝から夜まで、NHKまでこの映像を流していたので、広告費換算にすれば数千万円分はあっただろう。あるいは億単位か?だから購入者は充分元が取れた筈だ。僕も昔CMを何度か扱ったが、いい時間帯では15秒一本100万を超える。だからCMは大手スポンサーにとってはすぐ数億、数十億の投下になる。それを考えればこのニュースはとんでもない巨額の無料パブだった。(日本全国で放映総時間数は何時間になるのだろう?)


今年は何だかいい事がありそうだ。新年早々タイガー・ランドセルが送られたり(伊達直人=タイガー・マスク)、「トイレの神様」が大きな賞を取ったり、単なる景気話ではなく心温まる事件も?起きている。大企業の景気も回復してきたようだ。とりあえず“A HAPPY NEW-YEAR to rabbit”


※紀文(紀伊国屋文左衛門):元禄期の伝説的な豪商。20代の頃ボロ舟に蜜柑を大量に積み、嵐で閉ざされた江戸航路を運良く乗り切り財を築いた。その後材木問屋となり、明暦の大火で木曾谷の材木を買占め、一気に100万両(1000億円?)を得た。紀文は奈良茂(奈良屋茂左衛門)との吉原の豪遊比べでも有名である。