「ソーシャル・ネットワーク」

昨日川崎シネチッタに行った。どうせ大した映画はやっていないと思ったのでラッセルクロウの「ロビン・フッド」でも見ようと思ったがもうやってなかった。あまり客が入らなかったんだろう。でもこのゴツイ俳優が何で流行るのか良く分からない。昔ショーン・コネリーとヘプバーンの「ロビンとマリアン」は見たが、二人とも少しくたびれていて見ているほうもチョット辛かった…。

仕様がないので「ソーシャル・ネットワーク」を見た。これがとんでもなく面白かった。僕はコンピュータ音痴なのだが、コンピュータお宅の映画を見てしまった。彼はハーバード大の2年生、天才的なハッカープログラマーだ。初め女の子に振られ腹いせで、その女の子の悪口を書きサイトで情報公開する。その後全女子学生のフェイスブックを公開し、無料でアクセスできるようにする。これは数時間でとんでもないアクセス数を記録する。彼はこのため大学から保護観察処分を受ける。しかしメゲない彼は今度は全学生対象のフェイスブックを作る。自己紹介と友達の輪?のサイトである。勿論必要な情報は大学のサイトからハッキング?する。彼の論理からすれば簡単に破られるようなシステム自体が悪いという事になる。

これは凄い反響を呼び、彼は対象大学数を拡大する。彼の周りには彼の才能への協力者が増えてくる。しかし彼はアクセスによる収入や広告は嫌いだ。フェイスブックは巨大になってくるが、彼はこれをビジネスとは見ていない。新しいコミュニケーション・ツールとして捉えている。このツールはその後世界中に広がり、出資者も増え、彼はハーバード大も中退する。現代のヒーローはいい男でもなく、スポーツ万能でもなく、やや短足で、パソコンを凄いスピードで打つハッカープログラマーなんだ。つまり天才的パソコンお宅なんだ。

映画を見た後でサイトを開いてみたら、この男マーク・ザッカーバーグは物凄い。彼のフェイスブックは今や世界で6億人のユーザーを集め、彼の企業は今や500億ドルの価値がある。しかもまだたった26歳だ。つまり彼はマイクロソフトやアップルの創業者と並ぶ起業家なんだ。しかも彼はこれをビジネスとは見ていない。彼はビジネスは嫌いなようだ。何でもビジネスにして儲けようとするアメリカ企業とはチョット違う。(石油も穀物も水も…アメリカ発の狂った資本・営利主義)そういえばウィキリークスのアサンジも有名なハッカーで、しかも彼もビジネス指向ではない。近頃世界はノンビジネスの?情報公開やコミニュケーション・ツールが増えてきた。そういう意味では世界は確実に変わってきている。これは世界にとってはいい事だ。この情報システムが世界の経済や政治さえも変えかねない。つまりたった一人の無名の天才が世界を変える。僕らはそういう意味では面白い時代に生きている。


サイトの中で、映画ではなくマークの事を書いた「フェイスブック 若き天才の野望」が日経BP社から出ていると書いてあった。早速有隣堂へ行って買ってこよう。どうせヒマなんだからこの本でも読んで少しは触発されて(66歳で?)パソコンの学習でもしよう。ちょうど娘からパソコンの学習テキストを貰ったし。僕はパソコンは昔みようみまねで娘達の真似をしただけで、きちんと基礎から学んでいない。だからキーボードは二本指で打っている。だからパワーポイントもイラストレーターも使えない。少しは暇つぶしでマジメに学習してみよう…。


※今日は1月27日、昨日のニュースでやっていたが、チュニジアの政変の動きが(大規模デモが起こり大統領が逃げ出した)アラブ諸国に広がっているという。ナイジェリア・スーダン・ヨルダン・イエメン・エジプトへと。彼らの国は有る面で共通している。長期政権で政治腐敗や雇用不安が起きている。しかもデモのきっかけになったのは、何とインターネットである。フェイスブックなどのソーシャル・ネットワークへの書き込み、デモ参加の呼びかけが大きなうねりになっている。今やとんでもない所から民主化の波が起きる。やはり世界は大きく変わってきた。インターネットが政治腐敗を許さなくなってきた。この傾向はさらに拡大するだろう。強権的な中国でさえ、今後は予断を許さないかも知れない。ネットが起こす世界の変動…。