大震災後ウォッチ

とにかく大震災後の報道姿勢、CM異変、原発騒動、経済動向、復興の動き、日本人の逞しさについて少し書いてみよう…。

まず大震災後民放で目立つ事。大震災中心の報道を続ける事は当然だが、民放にとってもNHKにとっても、情報・映像を伝えるという点で、これほど重大な機会は初めてだろう。だから各局全力を挙げて報道を続けている。逆を言えば、この大災害は各局の腕の見せ所である。地震直後は各局とも冷静かつ淡々と事実を報道していた。特に今回は巨大津波の実体が、ここまで明確かつ赤裸々に映像化された事はないだろう。そういう意味ではこの映像は今後の貴重な研究資料になる。あの高い堤防を安々と越えてくる真っ黒な恐怖の海水の壁。良くあんな映像が撮れたものだ。ただここ数日、やや取材姿勢に変化が見られる。悪く言えば興味本位のもの、住民の泣き叫びの声も聞こえてくる。確かにこれは厳然たる事実かもしれないが、あえてこの部分を強調するのは、ややあざとい感じがする。民放各社及びNHKの番組プロデューサーの良心的な取材姿勢を期待したい。あまりにも情緒過多にならないように…。

それと急激にCMが減っている。これは大手スポンサーが自粛するから当然の事ではあるが、代わりにAC=公共広告機構の「思いやり」CMがやたら増えている。この本数は異常といえる数量だ。これは多分激減したスポンサーCMの穴埋めに使われているんだろうが、それにしても異常な本数だ。多分このCMはタダだろう。そうであれば各テレビ局の減収は膨大な筈だ。だからヒョットするとこの公共CMには“別の仕組み”があるのかもしれない。例えばスポンサー企業群が金を出しているとか。予定されたスポンサーCMを止めた分、有料で(しかも安く)ACの広告を流すとか。とにかくACの広告が多すぎ少し鼻に付く位である…。だから今後大災害の時、テレビ局とスポンサー企業群がどういう役割分担、あるいは費用負担をすべきか、予めそのシステムを決めておいた方がいいかもしれない。テレビ局もタダでは放映を続けられないからだ…。

原発事故については、相変わらず東電のドジが続いている。問題の根本的な解決が図れず、次々と危機的な状況を作り出している。東電側はややこしい説明を続けごまかしているが、政府も国民も不信の念は隠せない。今までこの大事故に関わった東電社員や自衛隊員や消防隊関係者の被曝も深刻で、多分今後厄介な症状が出てくるだろう。それと周辺の住民達の被曝も膨大な数になる筈だ。この事故は当事者の日本ではなく、海外の方が事態を深刻に受け止めている。ヨーロッパの国々では既に日本脱出の飛行機を手配した。今日のポータルサイトでは、アメリカが80キロ圏内からの避難を勧告した記事が載っていた。多分この情報の方が正しいだろう。僕の書いた100キロ圏とそんなに変わらない。多分この危機は益々深刻になり、世界を揺るがす大事件になるだろう。

そして「何で日本なんだ?」という疑問が湧くが、しかし今回の事故は、効率だけを追い危険を軽視した電力会社が自ら引き起こしたものである。いわば自業自得だ。国ももっと効率よりも安全を重視すれば、こんな事にはならなかっただろう。日本の小利口な官僚達と社会性を欠いた自民党が進めた、エネルギー政策の結果かもしれない。これまで電力会社は膨大な予算を使って、原発の安全性をPRしてきた。しかし今回の事故でその欺瞞は簡単に暴かれた。事故が起きてもまともな修理も出来ない事が判明した。つまり放射能の垂れ流しである。ヨーロッパでは以前から原発の見直しが進められており、今回の事故で一層その反対意見と廃棄処理は進むだろう。でも原発大国のアメリカと、今懸命に原発を作りつつある中国は一体どうするんだろう?もし北朝鮮原発事故が起これば、放射能はすぐ日本に飛んでくる。大気は西から東へ流れるからだ。だから今回の原発事故は、世界的に緊急な課題を惹起した…。

日本経済については当然起こるべき状況が起きた。日本の株価は急落し現在8000円台である。これにより失われた総額は数十兆円と言われている。でもそれは何かが起きれば毎度の事だ。それより意外なのは急激な円高である。本来なら円安になるべきところを強烈な円高が襲う。今朝は一時76円台に突入し今も78円台だという。これにはやはりあの投機マネーが関わっている。日本の復興の為に多額の円需要が高まるだろうと推測されるからだ。本当に彼らは死肉に群がるハゲタカどもだ。情け無用の魑魅魍魎の群れだ。

しかし希望的情景も多く見られた。これだけの未曾有の大災害に会っても、日本人は泣き叫ばず粛々と規律に従い行動している。田舎の年寄り達でさえそうだ。(これは差別発言か?)これは海外の人達にとっては驚くべき事らしい。アメリカのマスコミも中国も世界中が日本人の整然とした態度に驚嘆している。かってアメリカのハリケーン・カトリーヌやハイチ大地震では、民衆の破壊、略奪行為が頻発した。それが多分世界的には普通の現象だ。でも日本ではそんな事は起こらない。皆で助け合い、しかも整然と列に並ぶ。恐るべき規律と道徳感覚を持った国民なのだ。日本人としては誇らしい事だ。そして既に粛々と復興も始まっている。数ヵ月後には被災地に無数の仮設住宅が建ち並ぶだろう。だから海外でも日本の大復興は当然成功すると予測されている。あの戦後の灰塵の中からたちまち蘇ったように。多分アーリア人達は今後日本を“フェニックス”と呼ぶだろう。燃え盛る火の中からたちまち蘇る町や人々。勿論大地震による甚大な被害はあるが、それを上回る大復興があるだろう。それにしても東北太平洋岸は、今まで繰り返し繰り返し大災害に襲われている。今度こそ、今度こそ大災害に対応できる町造り、地域造りが進められるよう祈りたい…。しかし日本は火山列島地震列島、揺れ続けるのは日本の古代からの宿命なのだ。


それにしても何と逞しい東北の人達よ、日本人達よ!だから日本経済も政治も今後きっと逞しく蘇る。何しろ古代から日本は太陽の国、神宿る国、蘇る国だからだ。往古フランシス・ザビエルもただ一人の彷徨える日本人(弥次郎だったっけ?)を見て、その賢さと静然とした人柄を見て、日本への伝道を決心した。彼は周りの東南アジア人とはまるで違っていた。だからザビエルは日本への興味を募らせた。(弥次郎は武士だったらしい)この狭い国土にひしめく高質な神の国の民達よ!(こんな事を言っていると、また昔の日本の過ちを繰り返しそうだが…)でも僕は今日は朝から下痢気味だ。ヒョットすると放射能の影響か?まさかッ!