見通しが立たない…

原発事故のことで近頃毎日のようにサイトで最新情報をチェツクしている。昨日は“訂正に次ぐ訂正、公表に東電悩み”とのタイトルが出ていた。タービン建屋のたまり水から通常の炉内の1千万倍の放射能を検出したとの発表、その後違う物質と間違えたと発表、さらにそれも再訂正という混乱振りだ。案の定というか事故はむしろ拡大しているという印象だ。本当に恐ろしいことになってきた。

その記事の右側の小さいコラムに時事通信社の記事で、さらに恐ろしいことが書いてあった。東電の原発担当・武藤副社長談で、収束までの見通しについて「残念ながら何ヶ月、何年と言えるまで具体的な方策、スケジュールは詰まっていない」と述べた。“具体的な方策がない”さらに“何年かかるか分からない”つまり一度事故がおきれば修理もできないし、停止することも出来ない!お前らはそんな危険な装置を平然と造り続けて来たのか?周りのものや人たちは今後数年にわたって放射能を浴び続けるのか?

東電は本当はすでにギブアップ状態なんだ。目先の対策に必死になっているが、あるいはそのポーズを取っているが、根本的な解決方法が見つからないんだ。この被害は周囲30キロ圏だけではなく、既に広範な地域に広がっている。周辺県の農産物や原乳が汚染され、水が汚染され、土も汚染され、海が汚染され、勿論人間も汚染され、一つ一つの数値は小さくても、あらゆるものが汚染されれば、そのトータルは決して小さなものではないだろう。それが数年続きそうだ。だから放射性物質の蓄積量は膨大になる。利口な人間なら今後の大地震の危険性も含めて日本脱出だ。(既に欧米人の退去は始まっている。中国人でさえ逃げ出している)でもこの星に安全な場所などあるのだろうか?であれば出来るだけ事故現場から遠い場所、あるいは日本で原発のない地域に逃げ出すのがせいぜいかもしれない。

でも大部分の人たちは、首都圏、東京も含め、頭を下げてジッとしているよりしょうがないだろう…。天災は何とかできるが、復興できるが、科学の化け物であるこの人災は直しようがない?何と恐ろしいことか、何と不条理なことか!それでもテレビでは救援を叫ぶ、復興を叫ぶあらゆる声が渦巻いている。スポーツ界も、芸能界も。ここ数日は復興ソングで「上を向いて歩こう」が頻繁にかかる。九チャン効果は簡単に失われていなかった。というか6・8・9コンビの偉大さか?でも九チヤン自身が日航ジャンボ機の犠牲者だった。これも日航というろくでもない会社の人災だった…。

でも今回の犠牲者はドンドン増え続ける。最終的に2〜3万人になるのか?あるいはもっと増えるのか?あの阪神淡路をはるかに上回る巨大災害で、さらに原発事故という、神の怒りとも思える不条理な災害に見舞われている。しかしこれは不条理ではなく、明らかに人災、あるいは企業災・行政災である。あらためて東電、通産省自民党のバカヤローッ!と叫びたい。僕としては残念ながらせいぜい吠え声を上げるだけだ。しかしこの声は誰にも届かない…。

この惨状を見て、アメリカも中国もその他の国も、今後原発は見直したほうが良い。ヨーロッパでは既に廃止の方向だ。この原子の火は神の火であり、太陽の力と同じであり、人間の傍に持ってきてはいけない。イカロスがこの火に焼かれ、ソドムがこの火に焼かれ、それを見た人は、浴びた人は塩になった。広島・長崎も焼かれ、チェルノブイリの被害もいまだに続く。あの周辺で癌で死んだ人は何万人になるのだろう?この火は人間が安易に扱ってはいけないものだ…。この後の世界も偶発的核戦争の危機は続く。大国同士だけではなく、テロやゲリラが使用する危険性も含めて。


どうもこの先の世界は危機と混迷に満ちているようだ。日本は悪い意味でその先駆けになったのかもしれない。どうも日本民族は試練を受け続ける民族のようだ。(まるでその優秀さも含めて、東洋のユダヤ人のようだ)ああマズイマズイとぼやきつつキーボードを叩く…。


※今日の夕方の新聞のサイトでとうとう福島原発の恐ろしい事実が出てきた。“東電、核燃料の圧力容器損傷に言及”つまり核燃料を入れた鋼鉄製の圧力容器が損傷して、容器の外と通じた状態になっている可能性を認めた。鋼鉄の圧力容器に穴が開いているらしい。すると燃料を冷却するために入れた水に放射性物質が溶け込み、外部に大量に漏れ続ける。僕が心配している通りになった。“絶対に大丈夫です”だとッ!東電の嘘つきめッ。そして“停止まで何年かかるか分からない”だとッ!その間中東日本は放射能を浴び続けるんだ。これも電力会社、政治家、官僚が結託した利益と欺瞞の結果だ!考えようによっては、今回の大災害のもっとも巨大な疫病神の出現だ。ああニッポン無常…。